昨年は「ニューノーマル/ステイホーム」という新たな動きに対応することが大きなテーマでしたが、今年は「ニューノーマル/ステイホーム」が長期化し、当たり前となるなかで新たな変化やトレンドが生まれた1年となりました。
今年のRoomClip Awardからは2つの大きな潮流が見て取れます。それは「ニューノーマルの定着」と「映え/見た目重視から心地よさの重視へ」という2つです。それぞれの潮流ごとに該当するキーワードを解説します。
1:突然のステイホームから1年。ニューノーマルは暮らしに定着
昨年のRoomClip Awardでは、緊急事態宣言の発令に伴ってステイホームを余儀なくされた状況に対しての試行錯誤から生まれたトレンドが、キーワードとして多くランクインしました。突然増えた在宅時間を少しでも楽しむために数多く生まれた「おうち○○」、外出が制限される中で戸外を楽しむために多くの工夫が生まれた「庭・ベランダで過ごす」、ステイホームにより料理や掃除など家事時間が増えたことに伴って買い直しや買い増しが進んだ「巣ごもり家電」などが、まさにそういったキーワードに該当します。
(住文化研究所4月レポート「新型コロナで変わった暮らしと住まい:前編」より)
一方、今年のランキングでは、こうした昨年のトレンドが発展したキーワードがランクインしました。例えば「庭・ベランダのリビング化」。アウトドアとインテリアの接近はここ数年の潮流でしたが、ステイホームを余儀なくされたことで、この潮流は一層進みました。RoomClipが今年3月に実施したアンケートでは、約2割の人が「コロナがきっかけでガーデニングなどを始めた」「ベランダや庭で過ごす時間が増えた」と回答。
こうした人々が自宅でアウトドアアイテムを活用し、その様子をSNSで共有したことで、庭・ベランダを「リビング」としてより快適に過ごすノウハウが広がったのが2021年でした。
企業側にも動きがありました。無印良品は今年9月にアウトドア用品を発売。一方でアウトドアブランドのスノーピークは10月に家具事業への参入を発表するなど、ブランド側でもアウトドア、インテリアそれぞれの領域からの融合が進展しました。
「暮らしの快適家電」のランクインも同様の傾向と言えます。
昨年コロナがきっかけで突然家事の時間が増えたことで、まずは家事を効率化する家電に再度注目が集まりました。RoomClipのアンケートでは、15〜20%の人が掃除機や加湿器、洗濯機などを買い増し/買い替えたと回答しました。
(住文化研究所4月レポート「新型コロナで変わった暮らしと住まい:前編」より)
コロナ禍も2年目に突入し、引き続きステイホームが推奨される中で、RoomClipユーザーの興味は効率化からさらに一歩進み、暮らしをより豊か・快適にするための家電の導入に移行したことが見えています。特にキッチン家電でそれが顕著で、電気圧力鍋や炭酸水メーカーなどの投稿水準が2021年に入って昨年よりさらに伸長しました。
RoomClip Award 2021のベストプロダクトでも、象印の「STAN. IH炊飯ジャー」やデロンギの「デロンギ マグニフィカS」、アラジンの「フラファイトグリル&トースター」など、効率化や時短だけでなく、食のシーンをより豊かに、快適にする家電が多くランクインしました。
(住文化研究所10月レポート「キッチン家電の多様化が加速中。新定番と、変化に迫られるその周辺」より)
毎日一本は飲む炭酸水
ペットボトルで購入していた炭酸水
ストック場所の確保、
月1しかない資源ゴミの回収
ペットボトルまみれのストレスも解消!
本当に買ってよかったです。
もうこれしかないっ!
憧れだったBRUNOのホットプレートグランデサイズ✩.*˚
貴重な夏のおうち時間を過ごすことができました⋆̥*̥̥⋆̥いい夏の思い出です(*ˊᵕˋ*)♡
2:「映える生活」から「心地よい暮らし」への移行は、ウェルビーイングの時代を反映
今年1位となった「心地よい暮らし」は、ここ数年間かけてRoomClipで起きていたトレンドです。中期的なトレンドが、コロナ禍によるで加速し、今年を象徴する言葉として選ばれました。
もともとRoomClipのサービスが始まった2012年前後は、世界的にソーシャルメディアが勃興し普及していった時期です。2010年代後半まではいわゆる「映え」、つまり見た目を重視したトレンドが続いていました。RoomClipでも、2017年ころまではインテリアスタイルに関する投稿が増加し続けていました。
(住文化研究所8月レポート「五感を満たす、『心地よい暮らし』へ。ポスト『映え』世界の価値とは」より)
しかし2017年以降はそれが横ばいとなり、「見た目をよくしていく」というトレンドは一段落したことが分かります。一方で、その時期から目立ち始めたのが、自分にとって重要なもの、大切なものを見極めるライフスタイルです。RoomClip Awardでは、2018年には「〜のある暮らし」、2019年に「自分スタイル」がそれぞれ上位となりました。
2021年は1位の「心地よい暮らし」以外にも「花・植物のある暮らし」「季節を楽しむ」「お部屋を彩る香りアイテム」といった、「心地よさ」に関連するキーワードが多くランクインしました。
RoomClip内のデータを見ると、これらのキーワードの盛り上がりがよくわかります。住文化研究所では5月のレポートで「季節を楽しむ」というタグがついた投稿が年々伸長していることを報告しましたが、2021年にはさらに大きく増加し、11月時点で2020年から10倍近く投稿が伸びています。
(住文化研究所5月レポート「暮らしの中の『花とグリーン』最前線」より)
また、8月のレポートでは、「ルームフレグランス」や「防音」など、嗅覚や聴覚の要素を重視する投稿も伸びていることを詳報しました。
(住文化研究所8月レポート「五感を満たす、『心地よい暮らし』へ。ポスト『映え』世界の価値とは」より)
今年はSDGsに関連するキーワードとして世界的な潮流である「ウェルビーイング」が日本でも注目を集めましたが、住まいや暮らし領域においても、生活者が自分や家族にとってよりよく、心身ともに健やかに生きるために何が必要なのかを見つめ直し、「見た目」や「モノ」以外の要素を重視する動きが広がったといえます。
3:今後も注目の「一人暮らし」の住まい方、暮らし方
最後に今後の潮流として注目しておきたいキーワードが一人暮らしです。昨年の「ゆとりある一人暮らし」に引き続き、今年のランキングでは「"自分映え"な一人暮らし」がランクインしました。
先日公表された2020年の国勢調査では一人暮らし世帯が38%を占めました。一人暮らし世帯の増加については、一般的には高齢化や晩婚化・未婚化などの文脈で語られることが多いですが、RoomClipでは一人暮らし生活を豊かに楽しんでいる様子が多く共有されました。
朝からお気に入りの入浴剤を入れたお風呂に入り
冷凍しておいた大好きなぶどうを朝ごはんに出しました🥣
嫌なことがあっても、
自分の機嫌は自分でとる⸜❤︎⸝
それが一人暮らしを楽しむコツかなーなんて思ってます✎
このソファ🛋もデザインも
色も座り心地も大好きだし、
ベッド🛏側の壁のハンドメイドのチャンキーニット タペストリーも大好きだし、
天板だけ交換diyした棚付きローテーブルも大好きだし、
ドライフラワーのアレンジも大好きだし。
好きを詰め込んだわたしの城🏯💕💕
「社会が変わると暮らしが変わり、それによって住まいが変わる」というのがRoomClip住文化研究所のスコープです。今年のRoomClip Awardの裏側にも、世界的な潮流や日本社会の構造変化が現れているといえます。
2021年も終わりに近づいた11月、新型コロナウイルスの新たな変異型が見つかり、世界各国が再び対策に追われています。人々の暮らしへの影響もまたさらにこれから出てくることが想定されます。2022年はどのような1年になるのか、RoomClipとRoomClip住文化研究所は引き続き日本の生活者の暮らしと住まいに着目し続けます。
人工芝を敷いて、ハンモックに揺られるのんびりスペース🙃
家族もお気に入りで、みんなで争奪戦です🤣
このスペースのおかげで、多肉など植物も増えたり、DIYする事も増えました🙌
読書にも晩酌にも…とても良きスペースです♫