2021.05.27

暮らしの中の「花とグリーン」最前線

植物は、多くの人の暮らしや住まいにとって欠かせない存在です。今では園芸店やホームセンターだけでなく、雑貨屋や100円ショップなどで気軽に入手できるものも多くあり、RoomClipにおいても「花のある暮らし」「NO GREEN NO LIFE」などのタグとともに、日々たくさんの投稿が集まっています。

今回はそんな「花とグリーン」を「飾る」と「育てる」の2つの要素に分け、RoomClipユーザーの中でどう取り入れられてきたかの変遷と今のトレンドを、行動データや投稿とともにレポートします。

1:「飾る植物」はグリーンから花へ主役交代

もともとRoomClipを利用する「インテリアこだわり層」の間では、サボテンやエアプランツなどが「飾る植物」として人気でした。世間では多肉植物ブームが起こり、その流行に応えるべく、手頃でクオリティの高いフェイクグリーンがバリエーション豊富に登場しました。 RoomClipではこの時期、そうしたグリーンを飾る器として空き缶をリメイクする「リメ缶」という文化が隆盛しました。
下の投稿はそれぞれ2014年、2016年に撮影された写真。リメ缶などをDIYしたり、友人間で贈り合い、ディスプレイした写真をもとに多くのコミュニケーションが生まれました。

Room No.50266 : chieko
多肉植物用にリメ缶作りました。この中に、ホンモノとフェイクの植物がありますが、わかりますか⁉ よく出来てますよね〜♪
Room No. 380073 : capel
今日は、地元の植物園で開催されている「サボテンと多肉植物展」を見に行ってきました! 温室に様々な珍しいサボテンや多肉植物がたくさんあって、見応え満載☆ つい帰りに植物屋さんに直行して色々買いました! リメ缶4つは、RCで知り合って初めてリアル仲良しになったuriちゃんからいただきました♡

しかし2016〜2017年頃をピークに、その潮流は落ち着いていきます。フェイクグリーン、エアプランツ、サボテンの投稿数を見ると、2020年は2017年からいずれも7〜8割減少しました。

一方で、この5年間で投稿数が増加したのが「花」です。
下記の写真は、上で紹介したのと同じユーザーがそれぞれ2020年、2021年に投稿したもの。インテリアの雰囲気が変化すると同時に、植物のディスプレイも様変わりしました。

Room No.50266 : chieko
おはようございます。
以前、いただいた籠に入ったお花を花瓶に移してみました。色々なお花やハーブが入っていて癒されます。
Room No.380073 : capel
クリスマスローズも満開なのでカットしてきました!
まずは生花で楽しんだら、ドライフラワーにします♪

実際、RoomClipのアクティビティデータをみると、「観葉植物のある暮らし」や「グリーンのある暮らし」といったグリーン関連の代表的なタグが横ばいなのに対して、 「花のある暮らし」「ドライフラワーのある暮らし」といった花関連の投稿は大きく増加しています。2016年と2020年を比べると、 花関連の投稿水準は5.7倍にまで大きく伸長しました。一方で、グリーン関連の投稿は2017年以降ほぼ横ばいにとどまり、2019年を境に主役が逆転したことがわかります。

グリーンに比べると、定期的に変化させることで季節感を取り入れやすかったり、手入れが楽だったりすることが、花やドライフラワーの伸長の要因だと考えられます。

Room No.4313909 : Yuki
ドライフラワーのある暮らし
大好きなネェイティブドライフラワーと、コレまた大好きなモロッコスツールとご一緒にパチリ( ∩'-'📷⊂ )
生花も飾りたいけど、家にいる時間が少ないので、長く鑑賞できるドライフラワーを部屋のあちらこちらに飾っています(*^。^*)
皆さんは飾るなら、生花派?ドライフラワー派?それともグリーン派?
Room No.193094 : EVOB
観葉植物はすぐに枯らしてしまうので、僕にはその時々の切り花をいける方が合っている。本当は何年もかけて部屋に蔦植物を這わせたりしてみたいのだけれど。

花器の投稿数も、連動して推移

花の隆盛に伴い、花を飾る際の必需品となる花瓶やフラワーベースなどの花器に関する投稿も4倍に伸長していることも興味深いポイントです。
高価なデザイナーものや作家ものを取り入れている人もいますが、100円ショップや空き瓶などを上手に活用して、カジュアルに花を飾ることを楽しんでいる人も多いようです。

Room No.1129521 : M.H.L
お花を活けても、活けていなくても
ステキなオブジェになる大好きな
フラワーベース(*≧∀≦*)

でもやっぱり、
季節のお花が部屋にあると
それだけで気分が安らぎます✨
Room No.478909 : R
先日100均シールでリメイクした花器にチューリップを生け替えました(^。^)
Room No.333032 : ayayayaya
昨夜バラ風呂を楽しんだバラたち、食卓も彩ってくれてます☺️
梅雨入りしたけど、ここは華やかで明るい気持ちになれます👍
花器は、手前が200円くらいのプチプラ花瓶、奥はドレッシングやアップルタイザーの空き瓶を再利用してます👍 

2:「育てる植物」の動きは隆盛

暮らしの中の植物との関わり方は「飾る」だけでなく「育てる」もあります。「飾る植物」としては花が優勢ですが、ガーデニングや園芸などの「育てる植物」に関連する投稿はどうでしょう。

ガーデニングや園芸は、年々増加。

「庭」「ガーデニング」などの投稿水準を見てみると、毎年5月にピークがある周期型パターンを描きながら安定して増加傾向にあることがわかります。特に新型コロナの影響を受け、2020年の関連投稿数は過去最多となりました。屋内におけるグリーンが横ばいであることとは対照的です。

コロナがきっかけでガーデニングをはじめた人も

同じ動きは「ガーデニング初心者」というタグでも見られ、2017年の投稿に比べて2020年は投稿数が1.7倍に増えました。また、RoomClipユーザーへのアンケートでも宅トレやDIYに続く人気のアクティビティとしてランクインしました。

Room No.3816551 : amy
インテリアやベランダガーデニングもコロナ禍の影響です。それまでは趣味のダンスに毎日没頭してて家ほったらかしでした😅が目を向けるようになったら楽しくて🎶。RCの影響大です!笑🤘
Room No.4937106 : nobiko
今までは我が家は頂くばかりでしたが、コロナ以降ガーデニングを始めたご近所さんもいらっしゃって、最近は今まで増やして来なかった植物を増やしていく事(株分け、種取り)にもチャレンジ中です🥰

3:「季節を感じる暮らし」と花の親和性

「飾る植物」がグリーンから花へとシフトしている理由はなぜでしょう。ここで注目したいのは「季節」に関連するRoomClipでの投稿データ推移です。

Room No.1238083 : soleil
夏至が近いので電気を消してまだ明るい外の様子とキャンドルを楽しみながら晩ご飯をとりました。
Room No.733622 : erikamama.
寝室の南側のカーテン。
レースカーテンを上にして、繊細さと優しさを演出しています。
爽やかな青が似合う季節になってきました◡̈

「季節」にまつわる投稿は、かつてないほど増加中

「季節を感じたい」「季節を感じるインテリア」など、季節がキーワードとなるタグの投稿枚数は年々増加傾向にあり、2016年に比べて2020年は3.5倍の投稿水準となっています。

それらの投稿の主な特徴として挙げられるのは、節句を祝う飾りつけやしつらえ、旬ものを取り入れた食卓風景、梅仕事や味噌作りなどの伝統的な手仕事、そして季節の花です。1枚の写真で伝えられる情報量のバランスと質が重要なSNSの世界において、花はグリーンよりも季節感が伝わりやすく、さらに華やかさかもあります。何より、グリーンのように水やりなどの手間がかかりません。

特に、コロナ以降、家で過ごす時間が増え、多くの人にとって季節の移り変わりが感じづらくなっていることも、このトレンドを後押ししていると考えられます。

Room No.898646 : noriflower
こちらはまだ梅雨入りの発表はありませんが、すっきりしないお天気が続いています。
ジメジメとした空気を変えたくて、テーブルにブルーのクロスをかけて気分転換。
そして、週末にお迎えしたピンク色のアスターをテーブルに。
オマジオのフラワーベースには庭に咲いたオルレアと蕾から花が咲き実になったニゲラを飾ってみました。

可愛いお花達に元気をもらって頑張ろう。
Room No.290885 : comiri
ミモザサラダ
メインは春巻と白菜の煮物

82%が「家に花を飾る」。半数近くが、月1回以上の頻度

RoomClipユーザーへのアンケートでは、82%が「家に花を飾る」と回答。約半数が月に1回以上の頻度で花を飾っていることがわかりました。多くの人が、月や週など、区切りとして花を取り入れていることがわかります。最近ではお任せでアレンジや切り花が自宅に郵送されるサブスクリプションサービスを利用しながら、「花のある暮らし」を手軽に手に入れている人も多いようです。

Room No.290295 : sana
シンプルに暮らしたい。
けど、季節を感じたい。
花を飾ることでインテリアを楽しんでいます。
Room No.1048777 : Yuukopeee
季節を楽しむ暮らし、我が家の場合はやっぱり花のある暮らしです。
庭の花、産直の花、実家の母が育てた花、お花農家さんにいただいた花、何かしらのお花を玄関やリビングに飾ってお花から季節を感じたいと思っています。
Room No.764679 : kawamizu1010
月1のお花の定期便。
花があるとなんだかホッとします💐

観賞を目的として植物を住まいや暮らしに取り入れる営みの歴史は大変古く、約4000年前の古代エジプトでも庭園で植物が栽培されていたといいます。日本でも古くから植物は生活に密着して親しまれ、江戸時代には園芸が一大ブームとなっていました。
そんな長い長い「暮らしの中の花とグリーン」の歴史の中では、RoomClipに記録されたたった10年分の住まいの記録はとても短いかもしれません。ただその間にも、生活者が様々に工夫しながら楽しむことで、トレンドやストーリーが生まれていることがわかりました。
昨年からのコロナ禍を受け、暮らしや住まいの中に自然を取り入れる動きは加速しています。今後もさらにトレンドやストーリーが生まれていくと考えられます。