2025.09.03

夏の暮らしの新スタンダード「複合冷房」。4つのステップから見えた、快適性と豊かさを追求する暮らしの知恵

日本の夏は、記録的な猛暑と電気代の高騰という、2つの大きな課題に直面しています。こうした状況で、多くの人が「どうすればこの夏を快適に乗り越えられるか」と頭を悩ませています。
RoomClip住文化研究所は、そんな生活者のリアルな声や工夫が詰まった膨大な投稿データから、今年の夏の暮らしにどんな変化が起きているのかを分析しました。その結果、生活者は手軽な日用品から住宅そのものに至るまで、4つの段階に分類できる多層的なアプローチでこれらの課題を解決し、夏の暮らしを豊かにしていることが分かりました。
本レポートでは、各アプローチにおける投稿実例やデータを交えながら、生活者が生み出した夏の住まい方の知恵と、それが示す新たな価値観を読み解いていきます。

1:恒例化した日本の猛暑

近年、日本の夏は記録的な猛暑が恒例となりつつあります。2025年8月30日には、関東から東海にかけての4地点で気温が40度を超え、今年に入って40度を超えた日数は8日目で歴代最多を記録しました。また、NHKが算出した気象庁のデータによると、2025年の日本の夏の平均気温は基準値を2.3度上回り、これまでの記録を大幅に更新しています。

こうした厳しい暑さは今後も続くと予想されており、気象庁が発表した2025年8月から10月にかけての3か月予報でも、全国的に気温が平年より高くなる見込みです。異例の猛暑が続く可能性が高く、電気代も高止まりする中、生活者は新たな夏の過ごし方や対策を模索せざるを得ない状況に置かれています。

こうした社会全体の暑さに対する注目度の高まりは、RoomClipの投稿にも如実に現れています。2025年と2020年のRoomClip内のコメントを比較すると、「暑さ対策」というキーワードを含むコメント率は6.09倍、同じく検索率は3.18倍にまで上昇していることがわかりました。これは、単に「暑い」と感じるだけでなく、具体的な対策方法や知恵を積極的に探そうとする意欲の表れであり、もはや一時的な関心ではなく、恒常的な課題として認識されていることを示しています。

2:厳しい暑さの中、生活者が見出した夏の暮らしを快適にする4つのステップ

猛暑と電気代高騰という2つの課題に対し、RoomClipユーザーは一つひとつの知恵や工夫を積み重ね、夏の暮らしを変えようとしています。これらの工夫は、そのコストや手間に応じて、以下のような4つの段階に分類することができます。手軽なことから始め、より大きな効果を求めて次のステップに進んでいく、そんな多層的なアプローチが見えてきました。ここでは、4つの知恵を順を追って見ていきましょう。

3:ステップ1:日用品など手頃なアイテムによる工夫

Room No.400080 : jin
夏用寝具の準備。。。
冷感マット❄️とガーゼハーフケットを使っています。

ホワイトの冷感マットでクイーンサイズがなかなか売って無くて、昨年ようやくニトリで見つけて買いました。
両面使える敷パットなので、春・秋は裏側を使います。
Room No.612742 : kan2
涼しげなカラーを集めたコーナー
どれもお気に入り✨
Room No.5899734 : aiai
夏に向けて爽やかな香りのキャンドルを買ってみました☺️♡

ペパーミント🌱です♪
スースーしすぎたらどうしようって思いましたがきつくなくてほんのり爽やかな香り𓂃𓈒𓂂♡"

4:ステップ2:家電を駆使した「複合冷房」による工夫

RoomClipの投稿を見ると、暑さに対してより大きな効果を求め、扇風機やサーキュレーターといった家電を賢く使いこなす「複合冷房」の実践が見られます。これは、電気代高騰という課題に対し、快適性を損なうことなく部屋を効率的に冷やすという、生活者の創意工夫が凝縮されたものと言えます。

サーキュレーターが叶える、空気の循環

Room No.4695339 : omosayaboko
毎日暑くて大変ですね…
サキュレーターで回して、クーラー一つでなんとかやってます。
数年前まで北海道にクーラー必要なかったんですがね…夜になれば寒いくらいで。今も本州に比べれば湿度は低くカラッとはしてるかと思いますが、とにかく暑い。熱い!
Room No.520777 : rino
リビング側は涼しくても食事の支度をしているとどうしてもキッチン周りは暑い!!
ひとり汗だく!!

そこで、キッチンにサーキュレーターを向けてみた︎👍🏻 ̖́-

ちょうど対面に換気扇と窓があるので熱い空気を追いやってくれて一気に涼しくなり気持ちいい♬.*゚
Room No.4934520 : akomo
トイレの中は暑いです

なので扇風機を設置しました

・下を向くこと
・リモコン付き
・色は黒、白、グレー

の条件で探し、これに決めました

快適です

サーキュレーターは、エアコンの冷気を部屋全体に効率よく行き渡らせる、複合冷房に欠かせないアイテムです。エアコンと併用して設定温度を下げすぎずに涼しさを保ったり、室内の温度ムラをなくすなど、生活者の賢い知恵が光ります。

その設置場所も多岐にわたり、リビングだけでなく、熱がこもりやすいキッチンや、湿度が気になる洗面所など、家中の空気を快適に保つために活用されていることがわかります。

シーリングファンが叶える、通年の快適

Room No.1718534 : Mintea
階段の上に付けたシーリングファン
リビングイン階段なので、上昇する暖かい空気を撹拌するためにここに設置してもらいました🌪️
広くない家なので、小さめのファンを選びました

冷暖房効率も良く、つけて良かったな〜と思っています♪
Room No.1655334 : miho-halu
リビングのシーリングファン
一番弱い風量でも真下にいるとかなり涼しい
回転を変えれるから一年中使えるし、置き場所にも困らない
照明としてはちょっと明るさが足りないけど、見た目も可愛いし満足してます🥰
Room No.1128547 : keikei
空調とか考えず、オシャレ要素の方が大きくて取り付けました、が、ちゃんと仕事してくれてます👍✨

扇風機ほどダイレクトでは無いですが、心地良い😊

冬も回転の向きを変えればお部屋を暖かくしてくれます❤️‍🔥

シーリングファンは、上昇する空気を効率的に撹拌することで、冷暖房効率を向上させます。RoomClipの投稿を見ると、シーリングファンをリビング階段や吹き抜けなど、上部に冷暖気が偏りがちな空間に設置することで、効率的に空気を循環させ、一年を通して快適な環境をつくる工夫が見て取れます。

スポットクーラーが叶える、パーソナルな涼しさ

Room No.566475 : Maro
今年は本当に暑い!

ということで、ここひえというスポットクーラーを導入してみました。
室内の温度計は30℃を超えていますが、こちらとアイスノン枕で問題なく寝られています。
Room No.908676 : chaco
スポットクーラー
猛暑だった昨年の夏。サンルームは充分涼しくこれのおかげで夏を満喫できました。
ありがたや〜です。
Room No.4586290 : tan5
子供部屋にスポットクーラーを買いました。
エアコンでも良かったのですがあと数年しか部屋を使わないかも‥って思ったら移動出来るスポットクーラーの方が使いやすいかもとこちらに決めました。
今年は猛暑ですね‥‥。

スポットクーラーは、家全体を冷やすのとは異なるアプローチで、夏の不快感を解決してくれるアイテムです。ピンポイントで涼しい風を送ってくれるため、寝室などの個人の体感に合わせた、パーソナルな対策として注目されています。

5:​​ステップ3:DIYやリフォームによる住宅設備のアップグレード

ステップ1では手軽なアイテム、ステップ2では家電を駆使した工夫をご紹介しました。しかし、これらのアプローチは、暑さという課題に対する一時的・部分的な解決に留まる側面もあります。
RoomClipの投稿を見ると、より抜本的で恒久的な効果を求め、今ある住まいを、自らの手でより良くするという手段で暑さに対してアプローチする動きが見られます。このステップでは、窓や室外機といった既存の設備に手を加えることで、冷暖房効率を改善し、快適な暮らしを目指す投稿をご紹介します。

DIYによるアップグレード

Room No.799342 : SSSSS
今年は本当に暑い!

今年の冬、浴室窓に簡易内窓を付けました
プラダンで断熱が話題になっていたのでホームセンターに見に行ったところこのフレームセットを見つけ私にも出来そう!と思いDIYに挑戦してみました
冬もシャワーで済ます事が多く浴室暖房はあってもすぐに暖まらず寒いと思いながら入浴していましたプラダンですが有ると無いとでは寒さが全然違います!
夏は外そうと思っていましたがそのまま使用しています
Room No.921382 : tomocco
ちょっとした吹き抜けスペースは開放感が出て良いのですが…
夏は2階からモワァ~っと熱風が降りてきて、エアコンの効率が悪いんですよね〰️߹-߹
光熱費高騰の中、このままじゃ酷暑は乗り切れない!!
そこでカットしたプラダンを階段の手すりに設置して、開いている部分を塞いでいます(*^^)🎵
プラダン周りに木枠を付けて、隙間のないよう手摺りにしっかり固定しました✌︎︎(* ॑꒳ ॑*)✌︎︎
ビスを外せば、もちろん取り外しもできる設計です!
Room No.921382 : tomocco
ちょっとした吹き抜けスペースは開放感が出て良いのですが…
夏は2階からモワァ~っと熱風が降りてきて、エアコンの効率が悪いんですよね〰️߹-߹
光熱費高騰の中、このままじゃ酷暑は乗り切れない!!
そこでカットしたプラダンを階段の手すりに設置して、開いている部分を塞いでいます(*^^)🎵
プラダン周りに木枠を付けて、隙間のないよう手摺りにしっかり固定しました✌︎︎(* ॑꒳ ॑*)✌︎︎
ビスを外せば、もちろん取り外しもできる設計です!

RoomClipの投稿を見ると、夏の暑さに向けたユーザーのDIYは、大きく分けると、熱の出入りが激しい場所への対策と家電の効率UPという2つの目的で行われていることがわかります。

窓周りやリビング階段といった場所には、内窓を自作したり、仕切りを設けたりするなど、熱の侵入や流出を物理的に防ぐための工夫が目立ちます。また、室外機の温度上昇を抑えるためのカバーDIYも人気です。これは、家電の性能を最大限に引き出し、冷房効率を上げたり、室外機自体の故障を防ぐために行われています。

このように、ホームセンターや100円ショップで手に入る身近な素材を使い、予算を抑えながらも、住まいの快適性と家計への配慮を両立させようとする姿勢が読み取れます。

リフォームによるアップグレード

Room No.535462 : miyu
補助金を活用して内窓リフォームをした我が家
寒さ対策目的でしたが厳しい暑さにも効果バツグン‼︎
外窓は熱をもっていても 内窓は直射日光が当たる所でほんのり それ以外の内窓はひんやり~♡
和室の障子を外して内窓を取り付けたので部屋が明るくなりました
Room No.5918350 : mameaz
この夏、南に面した窓を二重窓にしました🪟
そして、ここ数年間で猫達がズタボロにしてしまったカーテンを、ずっと憧れていたウッドブラインドに取り替えました✨

二重窓は補助金を活用して、少しお得に設置できました💰
お陰で冷房効率も良くなり、外の音も怖いくらい聞こえなくなりました😊
Room No.1783426 : megu
家のほぼ全窓を、内窓を取り付けました。

結露、光熱費などいろいろ期待していますが、さっそく実感するのは、屋外の音が聞こえず、とても静かだということ。
あと、今週から真夏のような暑い日が続いていますが、強烈な西日の窓辺も明るさそのままでまったく熱くないということ。(外窓のサッシはやけどするくらい熱かったです🥵)
付けて本当によかった。

リフォームというと大がかりな工事をイメージしがちですが、RoomClipの投稿を見ると、特に窓周りのリフォームが夏の快適性を向上させる有効な手段として人気であることがわかります。これには、国の「先進的窓リノベ事業」などの補助金を活用することで、費用を抑えながら高い効果を得られるといった背景もあります。

ユーザーは 、リフォームによって二重窓や内窓を取り付けることで、断熱・遮熱効果を大幅に高め、夏の厳しい暑さや冬の寒さを軽減しています。さらに、リフォーム後には、冷房効率の向上による光熱費の削減や、結露防止、防音効果といった、様々なメリットも実感しています。

このように、生活者にとって、リフォームは単なる老朽化対策ではなく、住まいの根本的な性能を高め、日々の暮らしに大きな満足感と安心感をもたらす新たな手段として認識されはじめています。

6:ステップ4:住まい自体の性能を重視した家づくり

日々の工夫や部分的な改修の先には、「家づくり」という段階から住まい自体の性能を重視していくという、新たな価値観が見えてきます。

RoomClipが2025年2月に行った、RoomClipユーザーを対象とした大規模アンケートの結果では、*ZEH住宅に前向きな意向を持つ人が87.7%に上り、そのうち67.9%が「強く思う」「やや思う」と回答しています。この高い関心の背景には、ZEHが提供する具体的な価値への期待があります。

同じくアンケート結果によると、ユーザーがZEHに最も期待する要素として、「光熱費の削減」(81.5%)と「年中快適に過ごせる」(71.4%)が圧倒的に高い割合を占めています。

実際に、RoomClipの投稿を見ると、これらの期待が現実のものとなっている様子が見て取れます。

Room No.6119462 : jamjam
2階リビングの我が家。窓の外から山や空が見えて、周囲を気にせず生活できています。
脱炭素住宅のため高気密、高断熱で、エアコンの効きがとてもよく真夏でも快適です。
Room No.6038742 : suzu
我が家の断熱材はセルロースファイバーです。
工務店さんに断熱、調湿、防音、防虫効果があるってオススメされてとりいれました。
今まさに暑い日が続いてますが、仕事後家に帰ると外の灼熱のような温度とは違って涼しいです!
Room No.437242 : sznoie
ダブル断熱と全館空調で季節問わず快適な温度で暮らせます

今回のレポートでは、「猛暑」と「電気代高騰」という二つの大きな課題に対し、生活者が手軽な日用品から住宅そのものに至るまで、多層的なアプローチで暮らしを豊かにしていく様子が明らかになりました。
そこには、一時的なことや小さな工夫に留まらず、長期的な大きな工夫へとアプローチの幅を広げていくという、生活者の新たな価値観が存在しています。
こうした多層的で多様な暮らしの知恵が、次のイノベーションのヒントとなり、生活者と住まいに関わる全ての企業が共に暮らしをより良くしていくための、新たな対話のきっかけとなることを願っています。RoomClip住文化研究所では、今後もユーザーの動向やトレンドの変化に注目し続けていきたいと思います。

RoomClipの「暑さ対策」の投稿はこちら

このレポートの調査メンバー

  • 研究員
    荒津 桂